股関節が硬くて横開脚や縦開脚が苦手な方、たくさんいらっしゃると思います。
もともと股関節は複数の靭帯で頑丈に固定されたもの。大腿骨の先端にあるボールの形をした大腿骨骨頭と、骨盤側で骨頭の受け皿になる深いお椀の形をした臼蓋との組み合わせでできた、いわゆる球(きゅう)関節です。
だいたいは可動域が決まっていますが、人によって形状やはまり方などそれぞれ、正常な股関節では、寛骨臼が骨頭の約4/5を包み込むことで関節を安定させています。
股関節の可動域を広げ柔軟性をつけるには周辺の筋肉を伸ばすことが大切です。
股関節は屈曲・伸展・外転・内転・外旋・内旋の動きをします。
○脚を前に上げるのが屈曲
○脚を後ろに上げる(引く)のが伸展
○脚を横外に上げるのが外転
○脚を内側に上げるのが内転
○股関節を開く(腿を外に回す)のが外旋
○股関節を閉じる(脚を内に回す)のが内旋
日常生活で使う動作はほとんど屈曲と伸展に限られているのではないでしょうか。
歩く、立つくらいでは可動域が限られ、デスクワークや車の運転など長時間座りっぱなしとなるとどんどん硬くなってしまい更に可動域が狭くなってしまいます。
股関節に繋がる筋肉が硬化していくことで運動能力が下がってしまい、怪我につながることも考えられます。
まずは骨盤周りの筋肉や、腿の筋肉のストレッチが重要となります。筋肉は鍛えることも柔軟にすることも毎日続けなければ全く効果は得られません。
そして特に肝心なのは冷やさないこと。筋肉も冷えれば固まります。常に暖め、血流を改善することで筋肉の伸縮に効果をもたらすのです。
【効果的なストレッチ】
最初から無理のかかるオーバーストレッチは控えましょう。まずは股関節を回す。
屈伸やスクワットなどの屈曲運動。
股関節を外旋させ、腰を真っ直ぐに上げ下げする相撲スクワットがおススメです。
動く柔軟運動をウォーミングアップとしてから、静的ストレッチを行うことで筋肉が伸びやすくなります。
前脚が屈曲、後脚が伸展。絶対に骨盤を前傾させないこと。後ろ脚の付け根を引き前腿を伸ばすことで股関節の伸展によるストレッチとなります。
ベイビークレイドルで下腿を胸に引き寄せることで大腿筋膜張筋、中臀筋、大臀筋のストレッチになります。股関節の屈曲と外旋によるストレッチになります。
前回のコラムでご紹介致しました陰ヨガは筋肉の柔軟性をもたらす効果があります。
同じポーズで2,3分とどまり、無理なく伸ばすことで筋肉が戻ろうとする働きから伸びていく働きに変わります。更に自重と呼吸を使うことで相乗効果があります。
横開脚や縦開脚も、最初は坐骨の下にブロックなど高さのあるもの引いて、痛みがなければ無理のないところまで前屈をかけ呼吸を繰り返すことで恥骨から繋がる内転筋や、坐骨から繋がる腿裏の筋肉も少しづつ伸びてきます。
筋肉は無理をして伸ばすと縮もうとする働きがでるので、絶対に無理をしないことだけは必ず守りましょう!